腸脛靱帯炎とは?
腸脛靱帯が大腿骨の外側部分(外側上顆)と摩擦を起こして周辺組織に炎症を生じることを「腸脛靱帯炎」といいます。マラソンやトレイルランニングなど、長距離選手に多いことから「ランナー膝」とも言われますが、バスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエなどでも発生することがあります。また、仕事などで日常的に膝を曲げ伸ばしが多い方やO脚の方は腸脛靱帯炎になるリスクがあるので注意が必要です。
腸脛靱帯炎の原因
腸脛靱帯炎は、オーバーユース(使いすぎ)が原因となります。繰り返す膝の屈伸運動により腸脛靱帯が硬くなり、大腿骨の外側の部分(外側上顆)で靱帯が擦れることで炎症が起こります。マラソン練習などで練習量が増えている時や疲労が溜まってきている時は腸脛靱帯が硬くなっていることがあるので注意が必要です。
O脚
O脚の方の場合、膝が外側に広がるようになることで腸脛靭帯は外側に引っ張られて大腿骨の外側上顆と擦れやすくなります。筋肉のアンバランス(太腿部内側の筋力力低下や外側の過緊張)や姿勢の悪さからO脚を引き起こすことで腸脛靱帯に余計な負担がかかりやすくなります。
中臀筋の低下
中臀筋は骨盤を支える筋肉で、片足立ちになった時に骨盤を傾けさせないようにさせる働きがあります。この中臀筋の筋力が低下すると、歩行中やランニング中に骨盤の横振れが大きくなり腸脛靱帯に余計な負荷がかかりやすくなります。
トゥーイン
腸脛靭帯は最終的にふくらはぎの骨(脛骨)にくっつきます。つま先が内側に入る「トゥーイン」の状態は腸脛靭帯を過剰に引っ張りやすくなります。その結果、腸脛靭帯の緊張感が高まることで腸脛靭帯と大腿骨の外側上顆が擦れて、腸脛靭帯炎を誘発してしまうことがあります。
ランニング環境
同じ方向で走り続けるトラック競技などで左右非対称なチカラがかかり続けることで腸脛靱帯に過度な負荷がかることがあります。また、トラックだけでなく路面が傾いた道路や歩道でも同様な負荷がかかることがあります。いつも右回り、左回りと同一方向だけで走ることなく、たまには反対方向に走ってバランスをとってあげることも必要です。
腸脛靱帯炎の症状
主な症状は膝の外側に生じる痛みです。ランニングでは接地時、特に下り坂で鋭い痛みを感じることがあります。初めのうちは運動後に痛みが現れ、休むと痛みが消失することもありますが、進行すると運動中だけでなく日常生活(階段を降りる時など)でも痛みを強く感じることがあります。症状がひどくなってくると痛みが長期化しやすいため、痛みの初期段階で対処していくことが大切です。
腸脛靭帯炎の治療
腸脛靱帯炎はオーバーユース(使いすぎ)が原因です。まずは痛みの原因となっている運動を休止しましょう。腸脛靭帯の元となっている大臀筋や大腿筋膜張筋が硬くなっているので、ストレッチ、マッサージを行なって筋肉の状態を整えることが大切です。炎症が強い場合はアイシングも行ないましょう。また、腸脛靱帯炎はランニングフォームが原因となって痛みを引き起こすことがあるので、ランニングフォームの改善も必要です。筋力トレーニングと併せながら痛みが出来にくい身体の使い方を習得していきましょう。
「しらとりスポーツサポート」で出来ること
腸脛靱帯の元になっている大臀筋や大腿筋膜張筋の筋肉の硬さを取り除くために、マッサージや鍼治療を行なっていきます。また日常のメンテナンスとしてできるストレッチ指導、パーソナルトレーニングにてランニングフォームの改善や筋力トレーニングを実施することで、痛みが出にくい身体づくりのお手伝いが出来ると考えております。痛みを我慢することなく早め早めの治療で症状を改善させていき、楽しいランニングライフを送っていきましょう!