カテゴリ:スポーツ障害の原因と対処法



仙腸関節炎(仙腸関節機能障害)
仙腸関節は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節です。周囲の靭帯により強固に連結されていますが、画像検査ではほとんど判らない程度の2~3mmほどのわずかな動きを有しています。 中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じてしまい、炎症が起きて痛みが出ることを仙腸関節炎といいます。

梨状筋症候群
梨状筋症候群とは、梨状筋のすぐ下を通っている坐骨神経が、何らかの原因によって、梨状筋に圧迫・刺激されることにより、疼くような痛みが発生している状態のことを言います。 原因はオーバーユース(使いすぎ)です。ゴルフや野球など体を捻る動作の多いスポーツ、長時間のデスクワークや長距離の運転などによりお尻に負荷がかかり、筋肉の柔軟性がなくなることで坐骨神経を圧迫します。お尻の筋肉のストレッチやマッサージで筋肉を硬くしないようにしていきましょう。長時間座りっぱなしになることが多い方は時々身体を動かして柔軟性の低下に気を付けてください。 梨状筋は深層にある筋肉なため、マッサージに加えて鍼治療がオススメです。

下前腸骨棘炎(大腿直筋付着部炎)
下前腸骨棘炎とは、大腿前面にある大腿直筋の付着部に生じる股関節前面の痛みです。大腿直筋は膝を伸ばしたり股関節を曲げたりする筋肉で、ランニング、ジャンプ、ボールを蹴る動作などで負担が大きくなります。症状がひどくなると「下前腸骨棘剥離骨折」に発展することもあるため、早め早めの治療を行なっていきましょう。

坐骨結節炎(ハムストリグス付着部炎)
坐骨結節炎とは、大腿後面にある半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋(これらの総称をハムストリングと呼びます)の付着部に生じる臀部の痛みです。主にランニングやサイクリングなどでの酷使によって生じ、運動中だけでなく長く座った時にも痛みが出ることがあります。

鵞足炎
脛骨内側に付着する薄筋、縫工筋、半腱様筋の3つの筋の付着部に過度なストレスがかかり、炎症を生じることを「鵞足炎」といいます。膝をいっぱいに伸ばす動作や急な方向転換時に負担がかかりやすく、マラソンやトレイルランニングを愛好するランナー、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールなど様々なスポーツで見られます。初期段階では運動時に痛みが出ることが多く、悪化すると安静時にも痛みを感じることがあります。

膝蓋腱炎
前腿の筋肉である大腿四頭筋の柔軟性がなくなり、筋肉から続く腱の通り道である膝のお皿(膝蓋骨)周辺や付着部である膝下の骨(脛骨)に負荷がかかることで組織が傷付いたり、腱と骨とが擦れることで炎症が生じることを「膝蓋腱炎」といいます。ジャンプする競技(バスケットボール・バレーボールなど)や走る・蹴る動作が多いスポーツ(サッカー・ラグビー・陸上・体操など)で発生しやすく、「ジャンパー膝」とも言われます。

腸脛靱帯炎
腸脛靱帯が大腿骨の外側部分(外側上顆)と摩擦を起こして周辺組織に炎症を生じることを「腸脛靱帯炎」といいます。マラソンやトレイルランニングなど、長距離選手に多いことから「ランナー膝」とも言われますが、バスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエなどでも発生することがあります。また、仕事などで日常的に膝を曲げ伸ばしが多い方やO脚の方は腸脛靱帯炎になるリスクがあるので注意が必要です。

ふくらはぎにある「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」とかかとの骨である「踵骨(しょうこつ)」を繋ぐアキレス腱がなんらかの原因によってで炎症が起きている状態をいいます。

シンスプリントは、脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)とも言われ、脛(すね)の内側にある脛骨(けいこつ)に痛みが発生します。 脛の内側に痛みが出るのが特徴ですが、場合によってはふくらはぎや脛の外側に痛みが出ることがあります。...

足の裏には、かかとの骨から足の指の付け根をつなぐ線維が、扇状の膜のように広がっています。これが足底腱膜です。アーチ状になった足の「土踏まず」を支える重要な役割を果たします。 この足底筋膜に細かい損傷がおこるなどして炎症を起こした状態を足底腱膜炎と言います。